Y. Saki の実験ノート

趣味の実験・計算のまとめ

2重の三角関数の級数展開とBessel関数とJosephson効果

三角関数の中にさらに三角関数があるような関数は Wolfram|AlphaMathematica を用いても回答が得られず悲しい思いをすることが多い(例えば, n 次のFourier係数を求めるクエリはFourierCoefficient[Sin[Sin[x]], x, n]だが,1分ほど考えたあとでそのまま返ってくる)が,実はFourier級数展開ができることが知られている.

2重三角関数のFourier-Bessel 展開

 J_n(x) はBessel関数で, \theta に関しては定数係数の級数展開表示が得られたのでとりあえず解析を進めることができるようになる.

修士時代にこれを使ってJosephson接合の測定をやっていたのだが,全体の流れがなかなか覚えられないので一通りをまとめることにした. PDFをGitHubに上げておく.

github.com

この式を使って式変形していくと以下のような階段状の特性が得られることになるのだが,自分の研究では終にこれとは似ても似つかないような実験結果しか得られなかったので結局特にこの結果を活用することはできなかった. このまま引き継ぎもなく研究は打ち切ってしまったので失敗の原因も謎のままである.

Nb Josephson接合のShapiroステップ (C. C. Grimes and S. Shapiro, “Millimeter-Wave Mixing with Josephson Junctions,” Phys. Rev., 169, 397–406, 1968. https://doi.org/10.1103/PhysRev.169.397)